第3回One Bridge セミナーが開催されました

Event Date: 10.7.2019

2019年度第3回OneBridgeセミナーが一橋大学国立キャンパスのマーキュリータワーで開かれました。今回は聴覚障害を持つ映画監督である今村彩子氏をお招きし、‟スタートライン”と題してお話しいただきました。

まず今村氏は、参加者全員に対して「今日聞きたいこと」を尋ねられました。今回初めて聴覚障害を持つ方にお会いする参加者も多く、ろう学校での生活や教育について、またどのように他者の言葉を理解するのかといった質問に答えられました。その後、実際に今村氏が出演、監督をされた映画 ‟スタートライン”予告編を見ながら、「コミュニケーション」というテーマについてお話しされました。

今村氏は自転車で日本を縦断する過程を撮影しながら、見知らぬ人と苦手なコミュニケーションをとり、時には伴走者とぶつかる姿などの「情けない姿」を映しました。しかしその姿が多くの人々から共感を得たことで、耳が聞こえないからコミュニケーションしないのではなく自分が逃げていたのだと気づいた、とお話されました。留学を控えた学生にとっては、自身のコミュニケーションについて考える機会となったようで、積極的に質問をしていました。

 

今回も渋沢スカラープログラムの学生だけでなく、大学院生や他学部の学生など多くの受講生が参加していました。ネットワーキングの時間には、今村氏を囲み手話通訳者を介して積極的に質問する学生の姿や、本日のセミナーの内容について議論する学生の姿が見られるなど、充実したセミナーとなりました。

参加者からは※1「自分は他人と比べて多様性や他人の心などを理解できるという自信がありましたが、今回のお話を伺い、まだまだ知らないことばかりだと痛感しました。」※2「留学生と英語でコミュニケーションをする中でつたない英語力を恥ずかしく思って、思うように話せないことも多々ありますが、乗り越えなくてはと思うようになりました。勇気を頂きありがとうございます。」「直接正直な心の中を聞かせていただき、聴覚障害の方々への理解が深まりました。」等の感想も聞かれました。

セミナー後、講師の今村氏へ参加者の感想をお伝えしたところ、※1※2へのメッセージと、『名古屋から皆さんを応援しています!』というエールを頂きました。
※1『嬉しいです。「理解できる」という自信が「理解しよう」という気持ちを小さくしてしまうかもしれないので・・・。私は「理解できた!」ということは永遠にないと思います。だからこそ、相手を「理解したい」という気持ちを持ち続けたい。「分かった」「理解できた」というのは、「どうして?そう思うの?」という疑問の余地をなくしてしまうので危ないと自分に言い聞かせています。常に「分からない」「どうして?」「自分はホントに理解してる?」という気持ちを持って生きていきたいと思っています。』
※2『言い訳する時、自分はそのことをすごく気にしてしまい、気が引けてしまったりするのですが、実は相手はもうそのことは知っているし、そのことは問題ではないのです。問題なのは「言い訳する心」なのです。勇気を出してぶつかっちゃえば何とかなるし、新しい世界が拓ける。失敗したらなぜ失敗したのか、次はどうしたらいいのかを考える糧にすればいい。ということを私はこの年になってやっと感じています。皆さんはまだまだ若いので、大いに挑戦して大いに失敗して考えてもがいて自分の生きる道を見つけて欲しいなと思っています。』