第5回One Bridge セミナーが開催されました

Event Date: 12.9.2019

2019年度第5回One Bridge セミナーが一橋大学国立キャンパスのマーキュリータワーで開かれました。今回は、COS KYOTO代表/コーディネーターの北林 功氏をお招きし“「文化ビジネスコーディネート」という仕事”と題してお話頂きました。

北林氏は元来、エネルギーや環境問題に非常に関心が高く、持続可能な世界、自律循環型の社会を作りたいという強い思いをお持ちです。長く地域に根ざしてきた産業は、その地域の自然と共生するという考えが根底にあり、環境への配慮がおのずとなされています。昨今では消費者も、企業やブランドに対して環境への配慮を求めるようになっており、ますますこのような製品の需要は高まっています。世界の変化に柔軟に対応できるのは、中小規模で地域由来の地場産業であり、しかしながらその規模や地域に根差すがゆえに、地域の外まで製品を広げることは難しいのが現状です。そこで、これらを必要としている日本はもとより、海外の人々にこれらの存在を伝え届けることが北林氏の行う「文化ビジネスコーディネート」事業だとお話されました。

今回は実際に、米国オレゴン州のポートランド日本庭園に、京都の祇園祭で使用する「山鉾(綾傘鉾)」を展示した際のお話を伺いました。きっかけは、北林氏のポートランド視察でした。ポートランドがクリエイティブな都市として注目され始めた頃、北林氏はポートランドを訪れ、ポートランド日本庭園に関わる方々と交流を持つようになりました。ポートランド日本庭園では2018年を“YEAR of KYOTO”と掲げ、京都の文化を紹介する各種プログラムやイベント、京都の工芸品の展示、販売などが行われました。そして、北林氏のCOS KYOTOがその運営の一部を担い、2018年9月に開催された祇園祭イベントにて山鉾(綾傘鉾)の展示を実現し、アメリカの方々に大きな感動を与えました。

1000年以上の歴史を持つ祇園祭の山鉾(綾傘鉾)が歴史上初めて海を渡るには、想像を超える難題が山積みでした。山鉾(綾傘鉾)は京都市の文化財に指定されているものを含むため、手続きは想像以上に煩雑でさらに多種多様な関係者の承諾を得るという高いハードルも存在しました。北林氏は様々な難題を、これまでに培ってきた、ひとりひとりとのつながりやご縁をつなぎ合わせることで、最終的に乗り超えることができ実現につながった、とお話しされました。

 

今回も渋沢スカラープログラムの学生だけでなく、1年生や他学部生といった参加者が集まりました。参加者からは、「ローカルな資源こそがグローバルに活きるという視点が興味深かった。その時その時を全力で過ごし、1回1回の人とのご縁を大切にするという姿勢に感銘した。」「SDGsの実現方法として文化ビジネスを選択することの意味がわかりました。」という感想が聞かれました。ネットワーキングの時間には北林氏に将来の仕事について話をする学生の姿や、文化ビジネスに興味を持ち、どのような人がこの仕事に向いているかと質問する学生の姿なども見られ、非常に充実したセミナーになりました。