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プログラムディレクターからのメッセージ

Christina Ahmadjian, Ph.D Program Director Shibusawa Scholar Program

Christina Ahmadjian, Ph.D
Program Director
Shibusawa Scholar Program

「グローバルリーダー」とはどのような人でしょうか。今日、この用語を目にする機会は多いでしょう。どの企業もグローバルリーダーを採用したいと考えていますし、いろいろな大学がグローバルリーダーを育成するためのプログラムを始めようとしています。しかし、実際のところ、グローバルリーダーとは何を意味しているのでしょうか。これを読んでいる方の中には次のような素朴な疑問を抱いている方もいるかもしれません。つまり、「なぜ自分はグローバルリーダーにならなければならないのか」、「どうすれば自分はグローバルリーダーになれるのか」、「自分のキャリアにとって『グローバルリーダー』はどういう意味があるのか」、「歴史上の人物である渋沢栄一は、グローバルリーダーシップとどのような関係があるのか」、と。

「グローバル」とは、単に英語でコミュニケーションをとることや、外国を訪れることではありません。「グローバル」は、今日の世界における繋がりや相互依存関係、複雑性に関係しています。IT技術、急速な経済発展、航空機、マスメディアのおかげで、昔に比べて人々の距離は近くなっています。iPhoneを分解すれば、それがカリフォルニアでデザインされ、日本製の部品・材料を用いて、中国で組み立てられていることがわかります。旅行の際に利用する飛行機は世界中から集められた部品からできています。映画についても同様に、オーストラリア人によって原作が執筆され、アメリカ人によってプロデュースされ、アフリカを舞台として、日本の機材で撮影されているかもしれません。

このように世界はより密にかつより相互依存するようになっていますが、それと同時に非常にローカルでもあります。スターバックスやアップルの店舗はどこでも同じに見えますが、東京での生活はニューヨークやパリの生活とはまったく異なっています。それがゆえに、世界はより刺激的で興味深いものなのです。ローカルな違いによって、多様なアイデアとビジョンに気づくこともできるのです。その一方で、ローカルな違いは戦争の原因にもなり得ます。より良いものを生み出すために、この違いをどう活用すればよいのでしょうか。それこそが、グローバルリーダーの役目なのです。グローバルリーダーとは、問題が生じ解決策を導出する際に、その問題にある違いを橋渡しし、多様な見方からシナジーを生み出し、問題を識別し、世界中の人々を牽引できなければならないのです。

渋沢スカラープログラムでは、一橋大学の優れた学生を、こうした「触媒」・コミュニティの構築者として、相互依存した複雑な世界において革新をもたらすために、社会の多様性を有効に用いることのできる人材へと育てる教育を提供します。我々のロールモデルは、日本のビジネスの創始者の一人であり、一橋大学の発展に大きく寄与した人物である渋沢栄一です。渋沢は、100年以上前に生まれた人物であるにもかかわらず、21世紀のグローバルリーダーに必要とされる特質の多くを体現しています。渋沢は、変革のための「触媒」でありました。なすべきことを識別し、それを実行するためにコミュニティを構築して人と資源を集めたのです。彼は、日本と西洋、伝統と現在の間に関係性を見出したのです。もっとも重要なことは、彼がビジネスと社会の間の密接な関係性を理解し、ビジネスが万人にとってもよりよい社会を作り出す手立てとなるという役割をも見抜いていたことです。

我々は、皆さんに渋沢スカラープログラムについてさらに深く知っていただき、学生あるいはサポーターとしてわれわれのコミュニティのメンバーになっていただきたいと考えています。