第4回One Bridge セミナーが開催されました

Event Date: 10.12.2020

2020年度第4回One Bridge セミナーがZoomのwebミーティングにて開催されました。今回はmymizu 共同創設者 ルイスロビン敬 氏を講師にお招きして「日本におけるサスティナビリティ」より持続可能な社会を実現するためには ”Sustainability & Social Impact In Japan : How We Can Do Good, Better”と題してお話いただきました。

我々の住む世界はこれまでどう変化してきたか。急速に変化し続ける世界は今後10年でどのように変化するだろうか。考えられる社会的環境的問題は何か。セミナーは問いかけからスタートしました。

次にロビン氏の生い立ちが紹介されました。東京生まれでイギリス育ちのロビン氏は、お母様の出身地が宮城ということもあり、東日本大震災後、被災地でボランティアを経験されたそうです。そしてその後はピースボートの活動等で世界中の緊急支援活動に携わります。政府間組織やNGO、社会的企業等、世界のあちこちで活動したご経験を踏まえ、現在は環境保護やサスティナビリティの重要性を広める活動をされています。

2030年を年限とする17の国際目標SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けて我々が果たす役割とは何か。セミナーでは、教育と災害、貧困と災害、性別と災害、シリアの紛争等、様々な例を見ながら、複雑な状況下に多様な問題があることを再確認しました。そして問題の要因のつながり方や相互作用を理解して、最も効率的な解決法を探る「システム思考」の重要性について学びました。

社会と環境の問題は我々全員に関わる問題です。日本の社会環境を見ても、汚染、高齢化、気候変動、過疎化、社会保障、貧困、性差別、問題は山積みです。社会的企業モデルは、公平で公正な世界を創造するために、必要な情熱と思いやりを持つべきだ、ビジネスの実践と原則を組み合わせるべきだ、というお話でした。

セミナーではグループ討論で2つの問題を話し合いました。1回目の討論のテーマは「コロナウィルスのワクチンが実用化された場合の接種の優先順位」について。医療従事者や重症化するリスクの高い高齢者、政策を決める政府関係者を優先にするという意見のグループ、また都市部と地方での配分割合を考えるべきだという意見のグループもありました。

次にソーシャルビジネスとサーキュラーエコノミー(循環型経済)について学びました。ソーシャルビジネスとは、環境・貧困などの社会的課題の解決を図るための取り組みを持続可能な事業として進めることです。サーキュラーエコノミーとは、従来の「Take(取る)」「Make(作る)」「Waste(処分)」というリニアエコノミー(直線型経済)の中で活用されずに「廃棄」されていた製品や原材料を、新たな「資源」と考え、廃棄物を出すことなく資源を循環させる経済の仕組みのことです。

サーキュラーエコノミーが成り立つためには、メーカー・小売・回収・リサイクル企業など幅広い業種の連携が必要です。また、製品回収やリサイクルなど消費者の協力も必要 となり、あらゆる人々の協働が必要不可欠となります。

身近なプラスチックボトルについても考えました。日本のプラスチックボトルの生産量は世界第2位だそうです。一度出たプラスチックごみは分解されず、450年以上も残ること、持続可能でない経済発展が続くと海洋プラスチックの問題は拡大し続けること、そして2050年には海のプラスチック量が魚の量を超えること、それによる損失の推定額は…と衝撃的なデータも紹介されました。

こうした問題に関して何ができるか、ここで一つの取り組みとして、ロビン氏が共同創立者でもあるmymizuの紹介がありました。mymizuとはプラスチックの消費削減を目的に開発された日本初の無料給水プラットフォームの名称です。現在は、カフェやホテル、店舗をはじめ、公園や駅などの公的施設、湧き水まで、国内8000ヶ所以上の無料給水スポットが登録されており、アプリを使って近くの給水スポットが検索できるようになっています。場所、利用可能時間帯、水の種類まで分かり、マイボトル利用につなげようというものです。さらに給水によって削減できたペットボトルの消費量、CO2排出量、お金の節約量がトラッキングでき、SNSで社会に発信できるようになっているそうです。

2回目のグループ討論では「大学キャンパス内でペットボトルの消費量を減らすための工夫」について話し合いました。大容量のペットボトルのみを販売する、リサイクルをポイント制の割引にする、液体のみの販売とする、食べられる容器を開発する、等、面白い意見も出た討論は、環境問題を身近に考え直すきっかけとなりました。

SDGsは決して新しい考え方ではないそうです。例えば、昔の近江商人の心得「三方よし」、つまり売り手、買い手が満足し、社会貢献もできるのが良い商売であるという昔からの考え方に通じるというお話もありました。

mymizuを運営するのは、社会的イノベーションの活性化を行う Social Innovation Japan。このような活動は世界各地で広がってきているそうです。先進的な大企業だけでなく、最近は自治体や学校等でもSDGsを推進する取り組みが見られるということでした。一橋大学とも今後協働して何かできれば、という言葉でセミナーは締めくくられました。